本研究の目的は放射能汚染地域にて原木露地栽培シイタケに見られる追加汚染のメカニズム解明であり、土壌中の放射性セシウムがほだ木を介して子実体に移行するか検討した。解明に先立ち、子実体に吸収されるセシウム濃度は、ほだ木中のイオン交換態セシウム濃度に強く影響されることを明らかにした。福島県にて採取した放射性セシウムを含む土壌上にて15ヶ月間原木栽培を実施したが、土壌からほだ木への放射性セシウムの移行は認められず、また子実体に顕著な汚染は認められなかった。土壌中の放射性セシウムは土壌鉱物に強固に吸着されており、土壌中の放射性セシウムは追加汚染源ではないと推測される。
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