本研究では、飼育実験による卵質評価手法と生体内に存在する代謝産物の網羅的解析の組み合わせから、卵質を評価するために有効なバイオマーカー候補を探索することを目的とした。異なる飼料で養成したマサバ親魚から受精卵を採取し、ふ化率を比較した。また親魚の血清等から脂溶性および水溶性成分を抽出し、血清中の代謝産物の探索を行った。最終的に、複数のサンプル間で代謝物リストの比較を行い、サンプル間で大きく差異が認められる化合物の特定を試みた。採卵試験の結果、飼料の脂肪酸組成により受精卵のふ化率が異なった。代謝物について代謝経路のエンリッチメント解析を行ったところ、脂肪酸代謝系に違いがみられた。
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