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2021 年度 実施状況報告書

夜間の人工照明が甲殻類の行動に与える生態的影響

研究課題

研究課題/領域番号 19K06192
研究機関鹿児島大学

研究代表者

土井 航  鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 准教授 (70456325)

研究分担者 大富 潤  鹿児島大学, 農水産獣医学域水産学系, 教授 (10253915)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードオカガニ / 分光視感度特性 / 網膜電図 / 西表島
研究実績の概要

沖縄県に発令された緊急事態宣言(2021/5/23~9/30)および鹿児島県に発令されたまん延防止等重点措置(2021/8/20~9/30)の影響を受け、所属長より鹿児島県から沖縄県への出張が禁止された。発令期間である春から夏までの期間は、研究対象のオカガニ類の繁殖期で最も活動的になるため、行動観察に適した時期であるが、当初予定していた調査・実験は実施できなかった。2021年度に予定していた西表島での調査、実験は大きく変更せざるを得なかった。
2021年度は夜間照明の甲殻類への影響を評価する手法として、オカガニ類の分光視感度特性を明らかにするための実験の導入を図った。鹿児島市内で採集可能な半陸生カニ類であるベンケイガニ、クロベンケイガニを材料として、点滅光に対する網膜電図の非侵襲的な記録方法を開発した。この方法をもとに、本研究の対象であるオカガニ類を研究者代表者が出張可能な鹿児島県内で採集するため、6月に奄美大島で実験用カニ類の採集調査を行った。この調査でオカガニ類を採集することはできなかったが、生息地と巣穴よりオカガニを確認することができた一方で、ミナミオカガニは生息地を特定できなかった。12月には沖縄県への出張が可能になったため、先行研究によりオカガニへの光害の影響が報告されている瀬長島、2019年度に調査実験を行った石垣島、西表島において夜間照明調査を行い、分光放射照度計(CL-500A、コニカミノルタ)を用いて現地での夜間照明環境下で分光放射照度を測定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年度に引き続き、新型コロナウィルス感染症の感染拡大により、出張をともなう現地での実験が大きく制限された。人工光が幼生放出行動に与える影響に関する野外実験については、必要なデータが得られなかった。また、実験の遅延、計画の変更により、関連する研究業績を発表することができなかった。そのため、遅れていると評価した。

今後の研究の推進方策

他種のカニ類で開発した点滅光に対する網膜電図の非侵襲的な記録方法を本研究の対象であるオカガニ類に応用する予定である。現地での直接採集、協力研究者による採集動物の輸送により、大学実験室内での実験を実施する。データの解析、論文投稿を進める。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の影響により、予定していた現地調査の回数が減り、期間が短縮されたため。2022年度は実験のための消耗品、調査のための旅費、論文投稿時の英文校正費用として使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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