岩手県沿岸から沖合において周年採集された試料を解析し、浮遊性端脚類Themisto japonicaおよびT. pacificaの地理的分布、個体群動態および食性の解析を試みた。両種の出現ピークは1月、6月および10月に存在した。沿岸ではT. japonicaが多く出現したが、沖合ではT. pacificaの出現割合が増加した。T. japonicaの成熟雌はほぼ全ての月に出現したが、出現割合は少なかった。T. pacificaの成熟個体は周年出現し、特に1月、3月、5~7月および10月に多かった。T. japonicaでは年3世代、T. pacificaでは年4世代を有することが考えられた。
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