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2021 年度 実績報告書

マボヤ被嚢軟化症原因鞭毛虫の分布調査と宿主範囲の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06208
研究機関山口大学

研究代表者

柳田 哲矢  山口大学, 共同獣医学部, 准教授 (40431837)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードホヤ / 鞭毛虫 / 被嚢軟化症
研究実績の概要

マボヤ養殖で問題となっている被嚢軟化症の原因鞭毛虫(ホヤムシ)の分布域と宿主範囲を明らかにするため、天然のホヤ類を採集して寄生状況を調査した。2021年度は、主に瀬戸内海の山口県沿岸でサンプリングを行った。ホヤムシの寄生の有無を顕微鏡観察とPCR法で確認した結果、全ての検査個体が陰性となった。これまでに西日本の複数海域でマボヤを含むホヤ類を約500個体検査したが、全て陰性であった。この結果から、養殖場で軟化症が報告されている東北沿岸域以外にはホヤムシは分布していない可能性が示された。
ホヤムシが検出されなかった一方で、2021年度も顕微鏡観察により種不明の鞭毛虫が検出された。初年度から引き続き鞭毛虫の分離・培養を試みたが、分離には成功しなかった。一方で、ホヤムシが含まれるネオボド目のリボソームDNAの一部を増幅するPCR法を開発し、採集した全てのホヤ個体を調べた結果、21個体が陽性となった。これらのPCR産物をシーケンスした結果、17種類の塩基配列が得られた。これを既存のデータベースに登録されている配列と比較した結果、その多くは一致する塩基配列が存在しない未知の鞭毛虫であった。また、ホヤムシの配列と比較した結果、ほとんどは85%以上の一致率を示し、1個体についてはホヤムシと99.9%一致した。以上の結果から、天然のホヤ類には、ホヤムシに近縁な未知の鞭毛虫が寄生している可能性が示された。
ホヤムシは、ホヤの被嚢にのみ寄生し、筋肉や内臓からは検出されない。その理由を明らかにするため、2021年度にマボヤの血液でホヤムシを培養する実験を行った。その結果、培養後速やかにホヤムシは死亡した。このことから、マボヤ血液はホヤムシを殺滅する機構を有しており、これが被嚢以外からホヤムシが検出されない理由と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 被嚢軟化症はマボヤの生体防御能に影響を与えるか?2021

    • 著者名/発表者名
      柳田哲矢
    • 学会等名
      令和3年度日本魚病学会大会春季大会

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公開日: 2022-12-28  

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