研究課題/領域番号 |
19K06236
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
紺野 在 浜松医科大学, ウイルス・寄生虫学講座, 助教 (20573059)
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研究分担者 |
武井 史郎 中部大学, 応用生物学部, 講師 (60398576)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マイクロプラスチック / 組織透明化 / 環境問題 / 棘皮動物 |
研究実績の概要 |
昨年度は生物体内でのマイクロプラスチックの存在を可視化するための技術開発として、高度に鉱物化しているために一般的な組織化学的手法の適用が困難な棘皮動物のウニを、アクリルアミドゲルに包埋することで補強し、透明化する手法の開発を行った。また、プラスチック基質上に自然に着底し成長したムラサキウニがプラスチックを摂取していることを明らかにし、開発した透明化法でウニ消化管内の着色したマイクロプラスチックを可視化することに成功した。 本年度は、全身を透明化したウニ組織の完全性を評価するため、組織構造を染色する手法を検討した。その結果、アクリルアミド包埋したウニの細胞核は蛍光色素のヨウ化プロピジウムで安価に染色することが可能であることを見出した。この染色と蛍光実体顕微鏡観察から、透明化したウニ試料の主要組織は透明化処理によって破壊されず、構造の完全性を保っていることを確認した。 続いて、透明化した生物試料内部のプラスチックを蛍光染色する手法についても検討した。環境中の無機物に混入したマイクロプラスチックの検出には蛍光疎水性色素のナイルレッドが使用できることが報告されている。一方、この色素と透明化を併用した先行研究は存在しない。そこでこの色素を用いて透明化生物体内のプラスチックが染色可能かどうかテストした。試薬の濃度、溶媒、染色のタイミング、洗浄等の条件を検討した結果、少なくとも一部のプラスチックは透明化した生物試料内にあってもこの色素で蛍光染色できることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
透明化したウニの組織および体内のプラスチックを染色する手法の開発に成功したため。
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今後の研究の推進方策 |
開発した透明化試料中のプラスチックを蛍光染色する手法の特異性について評価する。また他の疎水性色素についても染色に利用できないかテストし、ここまでの成果を論文化する。また、透明化を用いたプラスチック検出が応用可能な生物種の拡張、および野外採集した生物体内のプラスチック検出についても検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍による移動の制限および自粛により、サンプル採集を最低限にして限られた試料で研究を行わざるを得ず、また参加を予定していた学会が中止や延期なったために次年度使用額が生じた。 今年度はサンプル採集と学会参加等を積極的に行うことで助成金を使用予定であるが、先行きが不透明であり、場合によっては研究実施期間の延長等も検討する。
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