トラフグ属魚類の複数魚種と、トラフグにしか寄生しない単生類Heterobothrium okamotoiとの組み合わせに着目し、魚類寄生虫の宿主認識機構を明らかにすることを目指した。寄生組織である鰓におけるL-フコースの存在様式と、人為的感染後の虫体の脱落の様子との関連を調べたところ、L-フコースの存在量が多い種ほど、暴露直後に着定していた虫体はより速やかに脱落する傾向にあることが示された。L-フコースの宿主認識への関与を証明するために、糖鎖の生成に関与する酵素の一つ、フコシルトランスフェラーゼ遺伝子の機能を失ったクサフグの家系を複数作出した。今後、感染実験により直接的に証明する予定である。
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