本研究は、魚類の養殖に「クローン系統育種」を実用化することを目的とする。「複数回の高温刺激処理」による分裂阻止効果を検討し、育種素材としての倍加半数体(完全ホモ型単性発生二倍体)の大量作出の実現を目指すものである。本研究では、主にホンモロコを材料に研究を進めた。本種の倍加半数体作出の諸条件は①精子の遺伝的不活性化のための照射UV量は20 mJ/cm2程度が有効、②卵割阻止のための1分間の処理温度は40.5℃が適正、③第一、第二の高温刺激処理のタイミングは20℃培養でそれぞれ受精後25分および40分、④雌性発生卵の倍数化には熱刺激1分間の2~3回の反復が有効であることがそれぞれわかった。
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