研究課題/領域番号 |
19K06244
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
小山 良太 福島大学, 食農学類, 教授 (60400587)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 原子力災害 / 放射能汚染 / 風評被害 / 帰還困難区域 / 営農再開 |
研究実績の概要 |
本研究の目的の一つである復興政策、産業振興政策の影響評価を実施した。米の全量全袋検査は毎年約60億円の費用がかかり、うち賠償金が約50億円支払われている。福島県産米の生産額は約750億円であり、1割弱に相当する経費がかかっていることになる。2020年度は検査開始から9年目を迎えるが、2014年度以降事実上基準値超えの米は検出されていない。安全性は確保されており、これ以上費用をかけることは経済性に欠けるという意見が表出している。しかし、検査の縮小は新たな風評被害の発生など社会影響を伴う可能性を秘めている。近隣諸外国への輸出への影響も含め検証する必要がある。そこで、研究協力を得ている東京大学情報学環CIDERと消費者動向調査、ALPS処理水の影響調査を実施し、消費者庁シンポジウム等で一部の成果を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの影響で現地調査等に若干の遅れがでたが、当研究組織が被災地に立地しているため恒常的な研究会実施等も含め、概ね順調の進展している。
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今後の研究の推進方策 |
国際シンポジウムの開催とベラルーシ、ウクライナ等海外研究者との合同調査に関して、オンラインも含めた実施体制の構築を検討している。 また、本研究で実施する原子力災害発災10年を機に検討されている放射能汚染対策、放射性物質検査体制の転換に関して、関係機関に対する調査を実施する。この間の「風評被害」状況及び流通構造の変化を踏まえた新たな検査体制及び認証制度の設計とそれに基づく産地形成の在り方を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの流行の影響で、海外調査、国際シンポジウムの参加ができなかったため旅費等を次年度以降に振り替えざるを得なかった。本研究は5年計画であるため国際研究のパートを新型コロナウィルスの流行の収束が見込まれる後半に振替て対応することとする。
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