研究課題/領域番号 |
19K06249
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
中原 尚知 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (90399098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 水産物流通 / 市場流通システム / フードシステム / 連携 |
研究実績の概要 |
水産振興や漁村地域振興の議論の中で、連携の重要性が注目されている。それは、水産物をめぐる供給・需要条件によってもたらされる不確実性に対応しながら、主体間における経営資源の組み合わせによって、経営成果の最大化と水産業の持続的成長を企図していることを意味する。但し、連携の重要性は認知されるものの、とくに流通・加工部門においてその効果が発現するメカニズムなどについては、ほとんど明らかになっていない。そこで本研究では、経営資源およびその活用能力と主体間の取引関係に着目する新制度派経済学を援用し、理論的・実証的なアプローチによって、水産業の持続的発展に資する連携のメカニズムとその成立条件を明らかにしようとしている。 令和元年度においては、第1に新制度派経済学を中心とした分析フレームワークの構築に向けたレビューを実施し、最新の知見やこれまでの実証事例を参照しながら、本研究課題に適用していくための検討をおこなっている。第2に、水産加工・流通業をめぐる連携の実態およびメカニズムの抽出を念頭においた実態分析をおこなった。具体的には、水産物流通において最も特徴的といえる市場流通システムに着目して、その現代的特質を明らかにした。また、漁業者や流通企業へのヒアリング調査を実施している。連携メカニズムの分析の前提として、流通・取引構造の特徴やその変化の把握、および、水産物のフードシステムの川上、川中、川下における主体間関係のあり方の網羅的な理解をはかるべく知見を蓄積している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度においては、研究レビューと水産物市場流通システムの現代的特質の解明が中心的な成果となった。次年度以降の調査・分析に向けた基礎的な調査やレビューが一定程度進展していることをふまえ、当該評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究レビューと水産物流通構造の網羅的な把握につとめながら、主体間連携の実態を把握するための調査・分析をおこなっていく。ただし、新型コロナウイルスの影響により、企業や現場を訪問してのヒアリング調査が非常に困難な状況にあることを踏まえ、web会議システムの利用やアンケート調査などを検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に予定していたアンケート調査を保留したためであり、次年度以降に実施していく計画である。
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