研究課題/領域番号 |
19K06250
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
大石 太郎 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (80565424)
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研究分担者 |
岩田 裕樹 広島修道大学, 人間環境学部, 教授 (90511692)
嶋田 大作 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (40527876)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 水産物エコラベル / マリンエコラベル(MEL) / MSC / 持続可能な発展 / フードサプライチェーン |
研究実績の概要 |
2019年度は、第一に、日本独自の水産物エコラベル制度であるマリンエコラベル(MEL)の国際標準化が水産物エコラベルのフードチェーンの川上に位置する漁業に対してどのような影響を与えるのかについて持続可能な発展の観点から検討した。その成果は、「日本独自の水産物エコラベルと持続可能な発展」と題して2019年度国際漁業学会で報告した。 第二に、水産物エコラベルのフードチェーンの川下に位置する小売店での価格プレミアムに関する予備調査を実施した。具体的には、東京、仙台、広島、福岡の各都市で小売店におけるMELの価格プレミアム調査の予備調査を実施した。その結果、現時点で十分なサンプルが入手可能であるのは広島であることが分かった。この結果はスペインで開催予定であった国際学会The International Institute of Fisheries Economics & Trade (IIFET)2020年大会で発表を予定しており要旨はアクセプト済であったが、コロナウイルスの影響のため、大会自体が中止となった。また、MEL以外で日本に流通している水産物エコラベルであるMSCについては、東京都内で価格プレミアムに関する調査を行った。この研究成果は日本水産学会2019年度秋季大会で報告した。 その他に、共同研究者3名によるエコラベルの研究会を数回開催し、研究成果の報告、関連文献の紹介、アイデアの共有を行った。これにより、2020年度の課題となる産業組織論的な理論分析やMELの価格プレミアムの本調査の分析の方針を固めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コロナウイルスのパンデミックという予想外の事態が発生したものの、2019年度に予定していた調査や発表は事前に済ませていたため影響はほとんどなく、共同研究者で開催している研究会で関連する新たな研究の着想を生むことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
当初は東京オリンピックの前後で、水産物エコラベルの価格プレミアムがどのように変化し、それによってオリンピックがどのようなレガシーを残したのかという視点から、オリンピック前後に価格プレミアム調査を行う予定であったが、オリンピックが1年延期されることに伴い、調査も1年延期を想定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスのパンデミックにより出張が不可能となったことに加え、年度末に予定していた日本水産学会が中止となってしまったため。 次年度に繰り越して出張および研究成果の学会発表を行う予定である。
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