研究課題/領域番号 |
19K06251
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
清野 誠喜 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90225095)
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研究分担者 |
上田 賢悦 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (70611226)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 営業 / 営業担当者 / 人材育成 / 中小食品製造企業 / マーケティング |
研究実績の概要 |
本研究は,中小食品製造企業における営業活動を対象に,その活動を担う人材の育成について「経験学習」の視点から分析し,今後の育成方策やマネジメントのあり方について検討する。フードシステムを構成する食品製造業では,中小企業比率が高く,また,原材料利用や雇用面などからも地域経済にとり重要な役割を果たし,その成長はフードシステムの持続的発展にも影響を与える。しかし,企業成長には営業力の強化が必要不可欠であるものの,それを担う人材育成に焦点を当てた研究はこれまで皆無である。 本年度,中小食品製造業における営業実態・課題の把握を行った。具遺体的には,次の4点である。1点目は,中小食品製造企業における営業の実態やその課題について,ヒアリング調査を中心として定性的な解明を行った。2点目は,中小食品製造企業と類似規模である大規模農業法人やJAなどによる加工食品を中心とした営業活動の実態やその課題を,定性調査により明らかにした。3点目は,上記2点をもとにした中小食品製造企業を対象としたアンケート調査票の作成を行った。4点目は,その後のコロナウイルスの流行によるアンケート調査を実施することを差し控えた状態にある。 とくに1点目と2点目においては,中小食品製造業における営業実態を事業成長との関係から明らかにするとともに,組織内における人材育成方策の課題(OJTを中心とした人材育成をとりつつも,その内容については十分に検討されたものにはなっていないこと,等)を明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
中小食品製造企業における営業実態・課題を定量的に把握するためのアンケート調査を実施する予定であったが,コロナウイルスの流行から,対象企業の実情からその回答が困難であることが予測され,その実施を差し控えたためである。 しかし,すでにアンケート調査票の作成等は済ませており2020年度の前半に実施することで,研究全体の進捗への影響はさほど大きなものではないと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度,その実施を見送った,中小食品製造企業における営業実態・課題を定量的に把握するためのアンケート調査を実施する予定である。 と同時に,中小食品製造企業の営業担当者における「経験学習」の実態と課題について,「経験学習」の視点から明らかにする。具体的には,これまでの「経験学習」モデルに依拠しながらも,従来の経験学習プロセスでは見落とされがちであった職場・組織等の個人を取り巻く状況・社会的文脈に注視し,心理的内面のプロセスをも探索することで,その経験学習の実態と特徴を解明する。被験者は対象企業から「営業年数」「営業先(販路)」等を配慮して抽出し,半構造的面接調査による営業業務に大きな影響を与えた「経験」の種類と内容の把握,その「経験」を対象として,個人の態度や意識の構造を分析する手法であるPAC(Personal Attitude Construct)分析を用いる。
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次年度使用額が生じた理由 |
第1に,中小食品製造企業における営業実態・課題を定量的に把握するためのアンケート調査を実施する予定であったが,コロナウイルスの流行から,対象企業による回答が困難であることが予測され,その実施を差し控えたためである(物品費,人件費,その他での未使用額が発生した)。第2に,上記とも関連するが,年度末の多数の学会参加を予定していたが,開催中止となったことから旅費などの未使用額が発生した。 本年度はアンケート調査の実施により前年度の未使用額を使用する計画である。また,2年目の課題である,営業担当者における「経験学習」の実態と課題の分析で必要となる,データ整理作業等にかかわる人件費・謝金として使用する予定である
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