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2019 年度 実施状況報告書

川下主導下における加工業務用青果物の流通再編に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K06269
研究機関北海道大学

研究代表者

坂爪 浩史  北海道大学, 農学研究院, 教授 (80258665)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード農業の6次産業化 / カカオ流通 / ベトナム / 地産地消型学校給食 / 加工食品
研究実績の概要

学校給食向け加工食品流通に焦点を当て、近年注目されている地産地消型学校給食における加工野菜の重要性を確認しつつ、その流通システムについて分析を行った。山形県における調査分析により、地場産原料を使用した給食向け加工食品は、給食向けが必ずしも生産規模として大きくないため、取り組みは比較的容易である反面、持続性に欠けることが明らかとなった。具体的には、加工企業にとって、地場産原料使用の加工食品製造は小ロットであるため、主力商品製造の隙間で対応せざるを得ず、地場の加工業者のスケジュールに合わない場合、遠隔地の製造工場に原料を送らざるを得ないケースが頻出していること、したがって、学校給食の現場から見れば、地場産原料を使用した加工食品となるが、地場加工ではない、ということになってしまっているのである。
また、ベトナムのメコンデルタにおけるカカオ豆の流通調査を実施し、カカオ栽培農家、1次集荷商人、2次集荷商人、加工業者の流通経路と集荷商人における1次加工作業の内部化論理について分析を行った。
さらに、北海道内における6次産業化に取り組む農業者(含む農業法人)の事例分析を行い、農業生産部門、食品加工部門、観光・直売部門といった多様な部門を1経営で行うには、それぞれ専門的な担当者を育成し、また各部門の自立性を一定程度保証することが重要であることを明らかにした。また、こうした多角経営の事業継承は容易ではなく、取り組みを始めた初代から2代目への継承の際、先代と同様の包括性、統合性を維持できないと、各部門が独立して、1経営体としての6次産業化ではなくなる可能性が低くないことを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本格的な加工・業務用流通への切り込みが圧倒的に不足している。野菜等の加工業者、ベンダーへの調査を急ぐべきであった。
また、本年度に実施できた調査分析についての、文章化が遅れている。

今後の研究の推進方策

令和2年度は、コロナウイルスの影響もあり、フィールドサーベイが極めて困難になることが想定される。守りの年度となる。既に一度以上、面接調査を実施できた農家、企業等を財産として、これらに対する電話等による遠隔調査を主力とし、論文化を図っていきたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの影響により、2月以降、フィールド調査が極めて困難になったこと。
次年度も少なくとも前半は同影響が残ることが想定されるので、既に蓄積しているヒアリングノートやデータを活用して論文執筆作業に集中したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] An Analysis of Quality Control Practices for Safe Vegetables by Supermarket Chains in Hanoi2020

    • 著者名/発表者名
      Oanh Nguyen Thi Kim ・Hiroshi Sakazume
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Food, Agricultural and Resource Economics

      巻: 71(1) ページ: 71-81

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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