本研究では、担い手不足地域で担い手の一つとして設立された農協による農業経営が地域農業が直面する多様な課題に全面的に対応しつつある様相を調査・分析した。 水田を中心する大規模経営については、農地の再委託や農地交換を通じて、他の経営との共存を図りながら経営展開していることが確認できた。 畜産経営においては、地域の畜産振興を図るため、繁殖管理を支援する技術導入、飼料生産の外部化を通じて、家族経営を軸とした地域農業の構造再編が進展していることが確認できた。新規就農研修事業を行う野菜・果樹経営では、担い手創出の面では、地域に大きく貢献しているが、収支状況の面では厳しいことが明らかとなった。
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