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2022 年度 実績報告書

戦後沖縄地域における生活改善普及事業に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K06274
研究機関島根大学

研究代表者

中間 由紀子  島根大学, 学術研究院農生命科学系, 助教 (90709130)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード生活改善普及事業 / 琉球政府 / 琉球大学 / USCAR / 婦人会
研究実績の概要

2022年度は、USCAR(琉球列島米国民政府)および琉球政府等が発行した生活改善普及事業関連資料の調査・収集を行った。さらに、琉球政府時代に活動していた元生活改良普及員2名(80代)に対して聞き取りを実施した。調査の結果、主に次の2点が明らかとなった。(1)戦後の沖縄の生活改善普及事業は、日本(本土)とは異なり、根拠法の制定なしに開始された、(2)琉球政府および琉球大学が生活改善普及事業を開始する以前より、婦人会が因習の打破などの生活改善に取り組んでいた。とくに大宜味村喜如嘉婦人会の洗骨廃止・火葬場設置運動は、他地域や生活改善普及事業に影響を与えた。(2)については、関連学会において研究成果を公表した。
本研究では、USCARの統治下にあった沖縄地域において実施された生活改善普及事業の方針とその実態について明らかにすることを目的として考察を行った。さらに、日本(本土)の事業との比較を試み、両者に違いがみられたのか否かについて検討した。その結果、アメリカの事業を基とする生活改善普及事業の実施そのものに差異がみられたことを明らかにした。GHQの間接統治下にあった日本(本土)では、事業の根拠法である「農業改良助長法」が制定され、行政を主体とした事業が実施された。他方、USCARの直接統治下にあった沖縄では、根拠法の制定なしに事業が開始された。さらに、日本式(行政主体)とアメリカ式(大学主体)の2つの事業がほぼ同時期に平行して実施され、事業の主導権をめぐって両者間に対立が生じた。こうした違いが生じたのは、統治方式の相異に起因するところが大きいと考えられる。今回の研究では、事業方針と実態について詳細に明らかにすることができなかった。この点の解明は今後の課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 戦後沖縄における生活改善-洗骨の廃止と火葬場設置運動-2022

    • 著者名/発表者名
      中間由紀子・内田和義
    • 学会等名
      地域農林経済学会

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公開日: 2023-12-25  

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