研究課題
基盤研究(C)
本研究では、戦後沖縄地域における生活改善普及事業の実態について検討を行った。その結果、主に次の3点が明らかとなった。(1)琉球政府および琉球大学による2つの生活改善普及事業がほぼ同時期に開始され、1972年の日本復帰まで並行して行われていた。琉球政府は日本の方法、琉球大学はアメリカの方法を取り入れた、(2)根拠法の制定なしに事業が開始された、(3)生活改善普及事業開始以前より婦人会によって生活改善が実施され、同事業に影響を与えた。
Agricultural economics
本研究では、占領期の統治方式の違いにより、生活改善普及事業(アメリカ発祥の事業)の実態に差異がみられたことを明らかにした。GHQの間接統治下にあった日本(本土)では、事業の根拠法である「農業改良助長法」が制定され、行政を主体とした事業が実施された。他方、USCAR(琉球列島米国民政府)の直接統治下にあった沖縄では、根拠法の制定なしに事業が開始された。さらに、日本式(行政主体)とアメリカ式(大学主体)の2つの事業がほぼ同時期に平行して実施された。