研究課題/領域番号 |
19K06306
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
叶 旭君 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (10708168)
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研究分担者 |
張 樹槐 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (90261429)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | リンゴ / 栄養診断 / スマートデバイス / 非破壊計測 / 画像処理 |
研究実績の概要 |
本年度は、以下の研究成果が得られている: 1.昨年度にマクセル社の既製品ライススキャンのLED光源を改造することで新規開発した2種類のLED照明付きカメラを制御するためのPC版ソフトウェアを開発した。この制御ソフトウェアを用いて、カメラ本体の三つのLEDを順次に選択し、それぞれの照明条件下で植物の葉の画像を撮影・保存できるようになった。 2.次に、新規開発したLED照明付きカメラの有用性を検証するための実験を行った。2種類のカメラにそれぞれ3種類の波長のLED照明がついているため、一枚の成葉につき6枚の写真を撮影した。本大学付属藤崎農場から130枚のリンゴ成葉サンプルを採取し、それぞれの画像データ(640×480ピクセル)を取得した。それから、各サンプルのSPAD値を計測したのち、葉内のクロロフィル含有量を分光光度計で定量した。 3.LED照明付きカメラで簡易に取得した画像データとSPAD値、クロロフィル含有量との相関関係を分析した。その結果、画像データとSPAD値との相関係数が0.95と非常に高い数値になった。SPAD値は、世界的にも認められた植物の葉緑素測定のスタンダードツールなので、本研究で開発したLED照明付きカメラも植物の葉緑素、特に本研究の対象であるリンゴ成葉の葉緑素測定に利用できると示唆される。また、本年度のクロロフィル含有量測定の実験がうまくいかなかったため、クロロフィル含有量とLED照明付きカメラによる画像データとの高い相関関係がみられなかった。来年度に、再実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに、新規開発したLED照明付きカメラを制御するためのPC版ソフトウェアの開発に成功した。この制御ソフトウェアを用いて、三つのLEDの照明条件下で植物の葉の画像を撮影・保存できるようになった。また、新規開発したLED照明付きカメラの有用性を検証するための実験を行った。その結果、本研究で開発したLED照明付きカメラが植物の葉緑素、特に本研究の対象であるリンゴ成葉の葉緑素測定に利用できると強く示唆される。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、新規開発したLED照明付きカメラの有用性を検証するための再実験を行う予定である。また、新規開発したデバイスに搭載したRGBカメラの代わりに、モノクロカメラを搭載することで新しいデバイス本体の開発を検討している。さらに、PC版の制御ソフトウェアの機能を強化するとともに、スマートフォン版アプリの開発も試みる。それらのシステム全体のデータ連携機能・測定の安定性や精度について検証するとともに、栄養診断モデルを実装したソフトウェアやアプリの機能をさらに追加・改良し、リンゴ樹専用の簡易測定デバイスシステムを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、まず、国際ジャーナルに掲載した英文論文の掲載料が発生しなかったこと、そしてコロナの影響を受け、学会発表がオンラインで行ったため旅費が発生しなかったことがあげられる。また、デバイス開発関連の改造と調整は計画通りに行うことができなかったため、その費用が発生しなかったこともあげられる。これらの金額の次年度使用計画としては、論文掲載料や学会参加のための旅費として使用すること、デバイスの改造費と調整費に使用すること、などを計画している。
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