研究実績の概要 |
本研究では,400~780nm における分光反射率を用いて,遮光処理が実施された茶葉のクロロフィルa,bおよびカロテノイド含量の推定を試みた。分光反射率からこれらの葉内含量を推定する上ではKernel-based Extreme Learning Machine (KELM), Deep Belief Network (DBN), Random Forests (RF)およびSupport Vector Machine (SVM)といった機械学習アルゴリズムを使用し,これらの推定精度の比較を実施した。なお,推定モデルをロバストかつシンプルなものとするために,遺伝的アルゴリズムによる変数選択を行うことによって,分光反射特性の冗長性を下げた。加えて,機械学習アルゴリズムのハイパーパラメータをチューニングする際にベイズ最適化を用いることによって,自動的に各機械学習アルゴリズムに対して最適なハイパーパラメータの組み合わせを決定した。各アルゴリズムによる推定モデルを評価用データセットに対する推定精度をもとに評価すると,すべての色素含量の推定においてKELM が最も優れていた。 また茶の旨味成分であるテアニンの含量を評価する上では,1735 nmにおける反射率と1755 nmにおける反射率の差(D (1735, 1755))を使用すると,推定モデルとして十分な精度を達成することができた。
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