水田における硝酸態窒素除去量の推定を可能とするモデル開発を目的として,まず田面水の浸透による湛水中の負荷量変化や水の蒸発に伴う濃縮を組み入れた硝酸態窒素濃度の濃度変化を表す式を導出した。次に,室内実験により脱窒菌の温度依存性を確認し,供試土壌中の脱窒菌は30℃前後で脱窒活性が最大となった。また,蒸発量を制御した室内実験を行った結果,蒸発量が多いと湛水中の対流が促進され,硝酸態窒素除去係数が大きくなることがわかった。さらに,水中に浮遊する微生物による硝酸態窒素除去と土壌表面に定着した藻類による硝酸態窒素除去を比較したところ,土壌表面に定着した藻類による除去の方が大きい可能性が示唆された。
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