茶園は硝酸汚染源であり,温室効果ガスであるN2O排出源の主要な排出源である。一方,研究代表者である南雲は,炭素収支に注目するとN2O排出を加味しても正味CO2吸収源として働いている可能性を示した。ただし,茶園での炭素動態はほとんど未解明のままであった。茶園は,森林の落葉落枝に相当する人工的リターと言える整枝せん枝残渣に加え,通常の農地と同様に敷き藁や堆肥・有機肥料も施用されるため有機物投入が極めて多い,一方その土壌は多用される窒素肥料の硝化によって強酸性を示すという特殊環境である。本研究の成果は,この茶園環境下での炭素貯留メカニズムの解明を試みた。
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