本研究では、ブタ純粋種集団を対象に、飼料要求率の遺伝的影響について調査した結果、飼料要求率の遺伝率は中程度であり、育種改良が可能であることが示唆された。次に、腸内細菌叢と飼料要求率との関係を調査した結果、各個体の腸内細菌叢の多様性が高いほど飼料要求率は低くなることが示唆された。さらに、腸内細菌叢の多様性に及ぼす遺伝的影響について調査した結果、中程度の遺伝率が推定され、腸内細菌叢の多様性は遺伝的な影響を受けることが示唆された。これらの結果から、飼料要求率の育種改良を行うときに、個体間の腸内細菌叢の違いを新たな情報として活用することで、より効果的な育種改良が可能であることが示唆された。
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