本研究の目的は、下部消化管発達を促し仔牛の発達過程において肝臓組織や骨格筋における生理機能を変化させる初乳および移行乳の構成成分に着目し、仔牛と育成期のラクトクライン機構に与える影響を明らかにする。その結果、分娩末期の繁殖牛への中鎖脂肪酸であるオクタン酸の給与は、初乳・移行乳中のグルコース濃度を増加させることが明らかとなった。新生仔牛にとってグルコースは主要なエネルギー源であり、仔牛の栄養状態を良好に保つ結果となった。また、仔牛への代用乳給与の結果、急激なグルコースの上昇が見られたことから下部消化管発達が促された可能性が示された。
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