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2020 年度 実施状況報告書

鶏卵を介した新規バイオ医薬品生産法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K06358
研究機関富山県立大学

研究代表者

河西 文武  富山県立大学, 工学部, 講師 (50585560)

研究分担者 中村 隼明  広島大学, 統合生命科学研究科(生), 助教 (30613723)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードニワトリ / バイオ医薬品 / 始原生殖細胞
研究実績の概要

近年、バイオ医薬品が医薬品売り上げの上位を占め始め、シェアを拡大している。一方でこれらバイオ医薬品は非常に薬価が高く、今後も売り上げを延ばしていった場合、患者自身の経済的負担ならびに本邦の医療費負担を逼迫することが懸念される。これはバイオ医薬品の製造には大量生産に至るまでに多くの時間と費用を要すことが一因として挙げられる。そこで本研究ではバイオ医薬品を大量にかつ安価に生産させる技術として鳥類が持つ卵黄中への抗体移行システムを介したバイオ医薬品の大量生産技術の開発を目的とし、これを達成するために以下の2つに分けた方策を取った。
①アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを利用したペプチド製剤生産法
②始原生殖細胞(PGC)への遺伝子導入よる抗体医薬品生産法鶏卵を介した抗体医薬品生産法
この中で今年度は①に関してはAAVベクターの作成および細胞レベルでの異種発現の確認を行った。②に関してはまずはPGCを安定的に増殖させる培養方法の確立
を行い、現在雌雄のニワトリcPGCの増殖に成功している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

一昨年からの新型コロナウイルスの流行により、研究活動に制限を受け、未だにその遅れが完全には取り戻せていない。

今後の研究の推進方策

①アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを利用したペプチド製剤生産法に関しては、細胞レベルでの異種発現は確認できたため、今後は個体への導入を進める。具
体的には以下のように行う。1)孵化直後の初生雛の胸腺を外科的に除去し、産卵開始を確認した免疫寛容ニワトリの大腿部にAAVベクターを筋注し遺伝子導入を
行う。2)AAVベクター導入後、血液中のhEPOの発現をWesternBlotting法で確認し卵を得る。3)卵黄中からhEPOを精製し、既に上市されているヒトエリスロポエチン製剤と各種比較を行う(質量分析によるペプチドマッピング、Biacoreを用いた分子間相互作用など)②始原生殖細胞(PGC)への遺伝子導入よる抗体医薬品生産法鶏卵を介した抗体医薬品生産法としては、cPGCの培養が可能となったため、今後は既に配列が明らかとなっているHM7mABVHおよびVKを導入したベクターで目的抗体遺伝子を導入し、高発現細胞株を選択する。高発現細胞株の樹立が可能となれば、順次ニワトリ胚への移植を行いトランスジェニックニワトリの作出へと移行する。

次年度使用額が生じた理由

一昨年からの新型コロナウイルスの流行の影響もあり、途中で研究が停滞してしまった。また予定していた学会も開催されなかったため旅費も使用していない。現在は活動制限が解除されているため、遅れを取り戻すべく研究を進めているため、その分今年度に使用していきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] ASC regulates platelet activation and contributes to thrombus formation independent of NLRP3 inflammasome2020

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Sachiko、Usui-Kawanishi Fumitake、Komada Takanori、Karasawa Tadayoshi、Kamata Ryo、Yamada Naoya、Kimura Hiroaki、Dezaki Katsuya、Ohmori Tsukasa、Takahashi Masafumi
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 531 ページ: 125~132

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2020.07.063

  • [雑誌論文] Glucose regulates hypoxia‐induced NLRP3 inflammasome activation in macrophages2020

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Sachiko、Usui‐Kawanishi Fumitake、Karasawa Tadayoshi、Kimura Hiroaki、Kamata Ryo、Komada Takanori、Inoue Yoshiyuki、Mise Nathan、Kasahara Tadashi、Takahashi Masafumi
    • 雑誌名

      Journal of Cellular Physiology

      巻: 235 ページ: 7554~7566

    • DOI

      10.1002/jcp.29659

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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