近年、バイオ医薬品が医薬品売り上げの上位を占め始め、シェアを拡大している。一方でこれらバイオ医薬品は非常に薬価が高く、今後も売り上げを延ばしていった場合、患者自身の経済的負担ならびに本邦の医療費負担を逼迫することが懸念される。これはバイオ医薬品の製造には大量生産に至るまでに多くの時間と費用を要すことが一因として挙げられる。そこで本研究ではバイオ医薬品を大量にかつ安価に生産させる技術として鳥類が持つ卵黄中への抗体移行システムを介したバイオ医薬品の大量生産技術の開発を目的とし、これを達成するために以下の2つに分けた方策を取った。①アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを利用したペプチド製剤生産法②始原生殖細胞(PGC)への遺伝子導入よる抗体医薬品生産法鶏卵を介した抗体医薬品生産法この中で今年度は①に関してはAAVベクターの作成および細胞レベルでの異種発現の確認を行った。②に関してはまずはPGCを安定的に増殖させる培養方法の確立を行い、現在雌雄のニワトリcPGCの増殖に成功している。
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