哺乳類における概日時計中枢は脳・視床下部・視交叉上核(SCN)に存在するが、SCNから出力される時刻情報がどのように各器官系が持つ生理機能に伝えられているか不明な点が多い。本研究では、マウスをモデル動物として用い雌性生殖機構へのSCNからの機能的な神経回路の解明を行った。化学・光遺伝学を用いSCNのAVP神経細胞のみを不活性化させると性周期が乱れることが明らかになった。また、SCNの遠心性神経を切断したマウスにおいても性周期が乱れたことから、SCNのAVP神経細胞の神経出力は雌性生殖機能に重要な役割を果たしていることが示された。
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