本研究では副腎皮質ホルモン作用調節機構のウシ卵巣での存在と、それが卵巣機能や卵子形成、初期胚の発生に与える影響について調べた。その結果、1)卵巣組織や卵子は副腎皮質由来の糖質/鉱質コルチコイドに常時晒されているだけではなく、局所でそれらの濃度を調節するメカニズムを備えていること、2)これらの組織や細胞は糖質/鉱質コルチコイド受容体を発現しており、副腎皮質ホルモンがそれらを介して黄体化や卵母細胞の成熟に関与していること、3)卵巣組織には副腎皮質ホルモンと性ステロイドがクロストークする複雑かつ合目的的な作用調節機構が存在することが明らかになった。
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