研究課題
脳性バベシア症はバベシア・ボビス(Babesia bovis)原虫感染によって引き起こされるウシの致死的な神経症状であるが、その分子機序は多重遺伝子にコードされた原虫のVESA-1タンパク質が関わるということ以外は不明である。本研究では脳性バベシア症の分子機序解明のため、申請者らが確立したバベシア原虫遺伝子組換え法を用い、接着に関わるVESA-1配列及び宿主側レセプターを同定することを目的としている。本年度はタグ付加VESA-1過発現原虫の作製を行うと共に、以前申請者らが見出した赤血球側に輸送されるバベシア原虫タンパク質についてタグ付加タンパク質過発現原虫の作製、glmsを用いた遺伝子ノックダウン原虫の作出を行った。現在タグ付加タンパク質過発現原虫を用いた免疫沈降法により、相互作用するタンパク質の同定を進めている。また、glmsを用いた遺伝子ノックダウン法により、VESA-1の発現や局在、さらには感染赤血球のウシ脳毛細血管内皮細胞への接着性がどのように変化するか解析を進めているところである。
3: やや遅れている
研究代表者の大学異動と新規所属機関での各種申請、遺伝子組換え病原体の移動に時間がかかり、研究はやや遅れている。
得られた組換え原虫の性状解析や免疫沈降による相互作用する分子の同定を引き続き進める。また、VESA-1に対する抗体作製を行い、抗体を用いた免疫沈降などの実験も予定している。
研究代表者の異動に伴い、研究の実施が遅れている。当初予定していた、組換え原虫を用いた表現型解析や、免疫沈降法によるタンパク質解析に次年度使用額を含め使用する予定である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件)
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