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2020 年度 実施状況報告書

脳性バベシア症解明に向けたバベシア・ボビス感染赤血球の血管内皮細胞接着機構解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K06384
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

麻田 正仁  帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (40587028)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードバベシア / ウシ / ピロプラズマ
研究実績の概要

脳性バベシア症はバベシア・ボビス(Babesia bovis)原虫感染によって引き起こされるウシの致死的な神経症状であるが、その分子機序は多重遺伝子にコードされた原虫のVESA-1タンパク質が関わるということ以外は不明である。本研究では脳性バベシア症の分子機序解明のため、申請者らが確立したバベシア原虫遺伝子組換え法を用い、接着に関わるVESA-1配列及び宿主側レセプターを同定することを目的としている。
本年度はタグ付加VESA-1過発現原虫、VESA-1ノックアウト原虫の作製を行うと共に、原虫が寄生赤血球側に輸送する赤血球修飾分子の機能解析を行った。タグ付加VESA-1過発現原虫を用いた研究では、一部予想とは異なる結果が得られたものの、ウシ脳毛細血管内皮細胞高接着原虫において発現していたVESA-1αを低接着性原虫に過発現することにより、接着性の上昇が見られた。一方で、VESA-1ノックアウトについては多重遺伝子であるためか、遺伝子のノックアウトが確認できなかった。寄生赤血球側に輸送する赤血球修飾分子の機能解析においては、新規分子としてVEAPを同定し、VEAP遺伝子ノックダウン実験をおこなったところ、感染赤血球が内皮細胞に接着しなくなるという結果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

宿主側レセプターの同定実験にまで至っていないため、実験に遅れが見られる一方、新規の脳性バベシア関連因子としてVEAPが発見され、想定以上の進展が得られた研究もある。全体的にはおおむね順調と言える。

今後の研究の推進方策

タグ付加VESA-1あるいはVEAPを用い、感染赤血球内において相互作用する分子を同定する予定である。同様にタグ付加VESA-1を用い、宿主側レセプター分子の同定も試みる予定である。

次年度使用額が生じた理由

異動のあった2019年度の繰り越し額が多く、2020年度は当該年度の支払請求額以上の支出があったものの、次年度使用額が生じた。昨年度行われなかったレセプター解析費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Novel Babesia bovis exported proteins that modify properties of infected red blood cells2020

    • 著者名/発表者名
      Hakimi H, Templeton TJ, Sakaguchi M, Yamagishi J, Miyazaki S, Yahata K, Uchihashi T, Kawazu SI, Kaneko O, Asada M
    • 雑誌名

      PLoS Pathogens

      巻: 16(10) ページ: e1008917

    • DOI

      10.1371/journal.ppat.1008917

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [図書] 寄生虫のはなし2020

    • 著者名/発表者名
      永宗喜三郎、脇 司、常盤俊大、島野智之編 (ピロプラズマの項目を麻田正仁、佐倉孝哉が執筆)
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      4254171749

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公開日: 2021-12-27  

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