ウシのバベシア症は畜産業に多大な経済的被害をもたらしている原虫病であるが、特にバベシア・ボビス(Babesia bovis)は最も病原性が高く、宿主に致死的な「脳性バベシア症」という神経症状を引き起こすことが知られている。本研究では脳性バベシア症の分子機序について解析を進め、原虫感染赤血球のウシ脳毛細血管内皮細胞接着に関与する分子としてVEAPを発見したほか、MTMをはじめとする感染赤血球修飾分子を複数同定した。さらに細胞接着のリガンドとされる原虫分子VESA-1の配列と接着性についても解析を進めた。
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