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2021 年度 実施状況報告書

ファージワクチンの免疫応答誘導メカニズムの解明とB細胞移入療法への応用の試み

研究課題

研究課題/領域番号 19K06386
研究機関鹿児島大学

研究代表者

橋口 周平  鹿児島大学, 理工学域工学系, 助教 (40295275)

研究分担者 岩野 英知  酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (60382488)
村上 明一  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (00733635)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードファージ / バクテリオファージ / ワクチン / 抗体 / ファージ療法 / ファージセラピー / M13ファージ
研究実績の概要

細菌に感染するバクテリオファージ(ファージ)の医療応用を目的として、ファージワクチンへの応用とファージが生体に与える影響について検討を行った。本年度は、M13ファージを担体としたファージワクチンに提示させたペプチド抗原に対する抗体応答のメカニズム解明のため、スギ花粉アレルゲンCry j 1をモデル抗原として、Cry j 1の一部のアミノ酸配列を提示させたM13ファージを、TLR9欠損、MyD88欠損あるいは野性型のC57BL/6マウスに投与し抗体応答の解析を行った。その結果、M13ファージおよびCry j 1に対する抗体応答はいずれもMyD88依存のメカニズムで誘導されることを明らかにした。一方、TLR9欠損マウスへの免疫においても、M13ファージに対する抗体応答ど同様にCry j 1に対するIgG抗体の誘導が認められた。また、誘導されるIgGサブクラス応答を解析した結果、M13ファージに対するIgGサブクラス応答とCry j 1に対するIgGサブクラス応答は質的に異なることを認めた。以上の結果よりファージ担体に対する抗体応答と提示抗原に対する抗体応答は異なる機構で抗体応答が誘導されていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究目的としていたM13ファージワクチンの作用機序解明については、TLR9の欠損によりM13ファージに対する抗体応答と提示抗原に対するIgGサブクラス応答は質的に異なることを見出した。一方、ファージワクチンの応用としてin vitro免疫を試みたが、抗原特異的抗体産生細胞を誘導するには至らなかった。今後も継続してファージワクチン開発を推進していく予定である。

今後の研究の推進方策

ワクチン開発におていは抗原分子の選定が重要な課題であり、ペプチド抗原の選定技術の確立およびファージワクチンの作用メカニズムを解明することが重要な課題である。また、ファージに対する免疫応答は既存のメカニズムと異なる点が多く、ファージというウィルス粒子に対する免疫誘導機構の解明のために、ファージ抗体応答に関与するB細胞のサブセットの同定、レパトア解析およびT細胞応答を解析する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

解析装置故障による遅延と、予定にない実験を追加する必要が生じたため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 医学のあゆみ、細菌に感染するバクテリオファージを担体とするファージワクチン設計2021

    • 著者名/発表者名
      橋口周平
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2022-12-28  

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