研究課題/領域番号 |
19K06388
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
谷 浩行 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00305658)
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研究分担者 |
岡村 雅史 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (70374775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ニワトリ用ワクチン / 大腸菌外膜小胞 / サルモネラ |
研究実績の概要 |
2020年度は、ゲノム編集によりOMVを多量に放出する大腸菌株の作出を試みた。欠失させる標的遺伝子として、外膜とペプチドグリカン層の架橋の形成に関わるnlpI、およびペリプラズム腔内でシャペロンとして働くプロテアーゼであるdegPを選択した。遺伝子欠失株の作製には λ Red recombinaseを用いる系を利用した。大腸菌UT5600株のゲノムDNAを抽出し、それぞれ標的遺伝子の 5’、3'-flanking領域の塩基配列を解析した。得られた情報を基に、カナマイシン耐性遺伝子の両側に部位特異的組換え酵素(FLP)の認識配列、flanking 領域の相同配列を組み込んだ直鎖DNA断片を作製した。Red recombinase発現プラスミドベクターとしてpKD46あるいはPSIJ8を用いた。これらプラスミドベクターを形質転換した大腸菌UT5600株にRed recombinaseを発現誘導後、それぞれの標的遺伝子に対する直鎖DNA断片をエレクトロポレーション法により導入し、カナマイシン含有培地で培養した。コロニーPCRにより相同組換えの確認を行ったが、偽陽性を示すコロニーが多く、目的とする欠失株は得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の蔓延による所属研究機関の活動休止等、継続的な研究活動に支障があり、予定していた実験計画を遂行できていない。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、現状のアプローチに加え、CRISPR-Cas9等、他のゲノム編集技術を使用して遺伝子欠失株の作製とOMV収量の向上を目指すとともに、社会情勢によってはニワトリへの免疫賦活効果の検証に着手したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に予定するニワトリへの投与実験の動物購入・飼育費用を補うため。
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