研究課題
、愛玩動物のSFTS発症予防だけでなく特にハイリスクな獣医師や飼育者へのSFTSV感染リスク低減というOne Healthの観点からも、愛玩動物(特にネコ)に対する有効なワクチン開発を目的とする。同じフレボウイルス属に分類されるリフトバレー熱ウイルス(RVFV)では、不活化、弱毒生、サブユニット、VLP、DNAワクチンなどが開発され検討され、不活化と生ワクチンが流行国で使用されている。本研究では、VLPワクチン候補を作出する。VLPワクチンを選択するのは、1)3種病原体等に指定されているSFTSVを大規模に培養することは実用上困難、2)弱毒ワクチンの開発には実用化まで非常に長い年月がかかる、3)VLPはdendric細胞等の抗原提示細胞に取り込まれMHC class I及びclass II応答を刺激する、4)VLPでは安全にワクチン製造が行える、5)VLPにはNSsやL蛋白質がないため、これらへの免疫応答からワクチン接種動物と感染動物の鑑別として”differentiate infected fromvaccinated animals (DIVA)”が可能であることなどの理由による。組換えワクチニアウイルスによりSFTSVのGPCとNPを共発現すると効率良くVLPが産生され培養上清に放出された。一方、組換えワクチニアウイルスと比較してpCAGGS系での一過性発現ではVLPの収量が劣った。現在、組換えワクチニアウイルスで産生し、精製したVLPを複数のアジュバンドを用いてI型インターフェロン受容体欠損マウスを免疫している。免疫マウスの抗体応答を確認してSFTSV攻撃に対する防御免疫誘導能を解析する。
3: やや遅れている
組換えワクチニアウイルスによりSFTSVのGPCとNPを共発現すると効率良くVLPが産生され培養上清に放出された。この系で充分量のVLPが調整可能であり、マウスの免疫を開始している。一方、組換えバキュロウイルスの作成が進んでいないため、やや遅れていると判断した。
現在、組換えワクチニアウイルスにより産生されたSFTSVのVLPを精製して、複数のアジュバンドを用いてI型インターフェロン受容体欠損マウスを免疫している。免疫マウスの抗体応答を確認してSFTSV攻撃に対する防御免疫誘導能を解析する。感染防御能が最も良いアジュバンドで免疫したマウスの抗体応答とエリスポット解析でCD8-T細胞の誘導を解析する。比較対象にはアジュバンドなしとアルミニウムアジュバンドを用いた免疫動物を用いる。これにより、中和抗体とCTLの防御免疫への寄与を明らかにする。最終的にはネコでの免疫を行う予定である。
使用計画のそって発注していたが、発注品の値引きなどのため57,838円余剰がでたため。
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Sci Rep.
巻: 9 ページ: 11990
10.1038/s41598-019-48317-8