現在の酪農現場では、乳牛における卵巣障害の増加や受胎性低下への対処策として、プロスタグランジンF2α(PG)や安息香酸エストラジオール(EB)等の投与による発情・排卵誘起法へのニーズが高まっている。本研究では、腟経路での投薬法に注目し、徐放性や溶出パターンを制御した最新の徐放技術を応用すれば、卵胞発育を効果的に刺激し得る内分泌環境を作出できると考えた。牛のモデル動物としてシバヤギを実験に供試し、PGの経腟投与効果を従来の筋肉注射と比較したところ、投与頻度を増やすことや、徐放基剤と混合してカプセルに充填した薬剤を投与することにより、同等の効果が得られることが分かった。
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