研究課題
基盤研究(C)
ニューカッスル病は伝播力が極めて強い鳥類の主要なウイルス性疾病である。本研究ではベトナムの家禽におけるニューカッスル病ウイルスの侵淫状況および本ウイルスに対する抗体保有状況を調べた。結果、分離されたニューカッスル病ウイルスは1株にとどまり、家禽の抗体保有率は2.3%であった。本結果から、当地の家禽においてニューカッスル病ウイルスはある程度維持されている一方で、主要な流行株となっていないことが示された。
動物感染症学
ベトナムを含むアジア地域では継続的に高病原性鳥インフルエンザが発生している。本ウイルスの家禽における維持や拡がりを理解するためには、並行して維持されている他の病原体の性状や動態を包括的に明らかにする必要がある。ニューカッスル病ウイルスが一定数家禽で維持されていたという本研究の知見は、複数の病原体に家禽が混合感染して複雑な病態を取り得ることを示しており、当地における感染症の制御に資する情報となる。