ノロウイルスは感染性胃腸炎の原因の一つである。世界では年間約7億人がノロウイルス感染症に罹患しており、約20万人が死亡している。ノロウイルス感染症の流行に伴う経済的損失は約7兆円であり、社会的・経済的に大きな問題となっている。現在、ノロウイルスに対する有効な治療法および予防法は実用化されていない。本研究ではネコノロウイルスを用いた発症動物モデルにおいて抗体がノロウイルス感染症の発症に重要か否かを解析した。その結果、ある特定の領域を認識する抗体がノロウイルス感染症の発症を抑制する可能性が明らかとなった。本研究は、ヒトおよび伴侶動物のウイルス性胃腸炎を理解する上で重要な研究と思われる。
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