脂肪を構成する脂肪酸は必須栄養素のみならず、生理機能をもつシグナル伝達物質としても作用する。近年数々の脂肪酸に対するヒトGタンパク質共役型受容体(GPR)4種が発見され、それぞれが異なる生理作用を介することが明らかとなった。 ネコは幼猫期の網膜・神経発達に多量の長鎖脂肪酸を必要とするが、これは長鎖脂肪酸をα-リノレン酸前駆体から生合成する活性が極めて弱い等、他の哺乳類とは異なる代謝経路を有している。GPR41とGPR43は短鎖脂肪酸の受容体であるが、ネコではその遺伝子すら明らかにされていないことから、ネコのGPR41とGP43の分子生物学的な性状解析を行なった。
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