鶏大腸菌症は、ブロイラー(肉用鶏)で頻発する細菌感染症である。日本における鶏大腸菌症による経済的損失は大きく、農畜産分野において改善すべき課題の一つに挙げられる。本研究では、ブロイラーの主要生産地である宮崎県内の養鶏場において、鶏大腸菌症に起因するであろう大腸菌の分離と詳細な解析を行った。病鶏由来株276株と健康鶏由来188株のゲノム配列を決定して詳細な解析をおこなったところ、O78、O115、O161などの血清型に属する系統的に非常に近縁な一つの群(系統G)が、国内で流行している実態が明らかとなった。
|