鹿児島県出水平野に飛来したナベヅルより分離されたヘルペス様ウイルスの性状解析を実施した。全ゲノム解析の結果、全長約159 kbpのゲノムを持ち、83個のオープンリーディングフレームを含むことが予想された。分子系統解析により、分離ウイルスはαヘルペスウイルス亜科のマルディウイルス属に近縁であることが示唆された。発育卵接種試験において、ニワトリおよびカモ等の家禽胚に致死的な病原性を示すウイルスであることが明らかにされた。本研究を実施して得られたツル由来ヘルペスウイルスのゲノム配列情報や家禽に対する病原性試験結果は、希少野生鳥類であるツルにおける感染症対策における有用な情報になると考えられる。
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