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2019 年度 実施状況報告書

流行性出血病ウイルスのウシにおける病原性規定部位の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K06430
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

白藤 浩明  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, 主任研究員 (40414726)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードアルボウイルス / イバラキ病 / 牛 / 流行性出血病ウイルス
研究実績の概要

流行性出血病ウイルス(Epizootic hemorrhagic disease virus:EHDV)は、ウシやシカに感染し、発症例では発熱、嚥下障害、誤嚥性肺炎等を呈する。わが国では、EHDV血清型2の一種であるイバラキウイルスが1959年にウシから分離されて以降、上記症状を主徴とするウシのイバラキ病が発生しており、近年は北米や中東、アフリカにおけるウシやシカの流行性出血病の発生も相次いでいる。しかし、EHDVの感受性宿主における発病機序は明らかになっていない。そこで本研究では、EHDVの病原性規定部位を探索するため、EHDV国内分離株を疾病発生の有無によって「病原性株」と「非病原性株」に分類し、①次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析による遺伝学的性状の比較、②リバースジェネティクス(RG)系構築とゲノム分節の入れ替え、③各種培養細胞における増殖性の比較解析、以上3つの項目を実施する。
令和元年度は、上記①の遺伝子解析を実施した。国内で1985年~2016年に分離されたEHDV計12株を供試し、FLAC法を一部改変し(Maan et al., 2007)、ランダムプライマーを用いて逆転写反応を行った後、iSeq 100を用いて次世代シーケンスを行った。塩基配列が決定できなかった部分についてはRT-PCRを行い、サンガー法によるシーケンス解析を実施した。その後、イバラキウイルスの1959年国内分離株およびEHDV外国分離株の配列データを加えて分子系統樹解析を実施した。今年度は、EHDV血清型1、2、7および10の国内分離株(計4株)の全ゲノムを決定し、他の供試株(計8株)についても全ゲノムの約90%以上の塩基配列を決定したため、各ゲノム分節の分子系統樹解析を行った。その結果、多くのゲノム分節において「病原性株」と「非病原性株」が分子系統樹上で近接している例が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

項目①の遺伝子解析については一定の成果が得られている。また、項目②のRG系構築についてもその準備を進めており、順調に進捗しているといえる。

今後の研究の推進方策

項目①の遺伝子解析については、未解析部分が残っている供試株を対象に、サンガー法によるシーケンス解析を継続して全ゲノムの塩基配列を決定する。また、供試株をさらに追加し、遺伝子解析を行う。項目②のRG系構築については、複数の血清型のEHDVを用いて、RG系構築に取り組む。その後、ゲノム分節の入れ替えや項目③の培養細胞における増殖性の比較を行う。

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公開日: 2021-01-27  

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