代謝調節は細胞機能や分化を上流で制御する重要な要素だが、始原生殖細胞の運命決定において重要な役割を果たす代謝経路は不明であった。本研究では、グルコースが解糖系から分岐するヘキソサミン生合成経路を通して始原生殖細胞の形成に必要であること、この効果は標的タンパク質の糖付加修飾を介したエピジェネティックな制御によってもたらされることを明らかにした。さらに、母親の糖質制限食による糖質代謝の低下が、胚における始原生殖細胞の形成の抑制を引き起こすことを明らかにした。これらの結果は、母体の栄養、代謝、エピジェネティックな制御が、その子孫の生殖細胞の運命決定の制御において重要な役割を持つことを示すものである。
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