肥満になると体内に蓄積・貯蔵される脂肪酸の量(クオンティティ)が増加すると同時に、脂肪酸の質(クオリティ)も不飽和脂肪酸リッチから飽和脂肪酸リッチへの変化が認められる。近年、この脂肪酸クオリティの変化が、さまざまな疾患に潜む重要な要素であると考えられつつある。本研究の目的は長鎖脂肪酸クオリティが精子の運動性に与える影響の一端を解明することにある。 今年度は長鎖脂肪酸受容体アゴニストであるGW9508がマウス精子の運動亢進を誘起する精子内メカニズムを検討した。その結果、GW9508は核内受容体であるPPARγ、p38 MAPK、PI3/Akt経路を介して精子の鞭毛運動を亢進することが明らかとなった。
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