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2021 年度 実施状況報告書

冬眠動物における肝細胞増殖因子(HGF)による低温虚血耐性獲得機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K06449
研究機関岡山理科大学

研究代表者

水野 信哉  岡山理科大学, 理学部, 教授 (10219644)

研究分担者 大崎 恵理子  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50447801)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードHGF / c-Met / 低温ストレス / エネルギー代謝 / シグナル伝達 / 転写調節因子
研究実績の概要

2021年度は、冬眠モデルであるゴールデンハムスター、コクワガタ、アカハライモリならびにトーパー(擬似冬眠)のモデルであるマウスを用いて、以下の解析実験を行った。
(1)まず冬眠モデルであるゴールデンハムスターを用いて、餌の嗜好性や日内行動様式に関する基礎的なデータを集積した。この過程で、冬眠前の接餌量増加に関連して、求餌-嗅覚センサーとしても知られているある分子Xを介して餌の嗜好性や天敵となる肉食動物(捕食動物)の糞尿中の成分に対する忌避行動を示すことを分子X阻害剤を用いて明らかにした。その成果の一部は学内の研究発表会にて発表し、現在、英文原著論文の作成を進めている。(2)寒冷ストレス、虚血ストレスと関連する複数の転写調節因子に着目し、日内変動や病態ストレスに対するゴールデンハムスターやマウスにおける転写調節因子の発現推移(自然経過)ならびにHGF-HGF受容体/MET系の関連の一端を明らかにした。その成果の一部は学内の研究発表会にて発表し、現在、英文原著論文を作成中である。(3)ある種の培養細胞を用い、寒冷ストレスや虚血ストレスに対するHGF-Met系シグナル伝達増強とその下流イベントを明らかにしつつある。(4)冬眠することで知られているコクワガタとアカハライモリを用い、小型冷蔵ボックスにおける冬眠誘導法を検討した。24℃を基準とし、一定の期間を置きつつsemi-openの形で酸欠を回避しつつ、4℃ずつ下げることで冬眠を誘導できる条件を設定することができた。
以上の成果は学術集会で発表する予定であったが、学会の中止、もしくはセキュリティーの低いオンラインでの開催となったため、やむなく発表を見送った経緯がある。データの再現性やブラッシュアップを行い、次年度にまとめて学術集会や英文原著論文として公表していきたいと考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

理由:新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言の発出によりオンライン授業やテレワークの需要が激増し、実験に費やす時間が大幅に削減された。冬眠哺乳動物であるゴールデンハムスターは新型コロナウイルスに感染するモデルとして重用されており、業者から購入することが困難となった時期があった。

今後の研究の推進方策

2021年度の後半はCOVID-19緊急事態に対応するシステムが構築され、徐々に研究時間を取り戻せつつある。ゴールデンハムスターはCOVID-19モデルとしての需要が増えており、冬眠のモデルであるゴールデンハムスターの入手も少しずつ改善されつつある。イモリやクワガタを用いて、簡易冷蔵ボックスによる冬眠誘導法を確立しつつある。ハムスターが入手困難が継続する場合は、トーパー(仮冬眠)を示すモデルであるマウスを用いた実験系を先行させる可能性もあり、現在検討を進めている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の拡大により緊急事態宣言が発出され、オンライン授業やテレワークの実践を余儀なくされ、研究に費やす時間が大幅に縮小された。結果的に思い通りに研究を展開させることが困難となった。最終年度に相当する本年度は実験消耗品を中心に円滑に使用してゆく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] MET/HGF receptor2022

    • 著者名/発表者名
      Shinya MIZUNO
    • 雑誌名

      Brenner's Encyclopedia (3rd Ed)

      巻: 3 ページ: in press

  • [雑誌論文] 立体構造を基盤としたHBVポリメラーゼ阻害剤の開発2021

    • 著者名/発表者名
      大崎恵理子、上田啓次
    • 雑誌名

      Medical Science Digest

      巻: 47 ページ: 752-754

  • [雑誌論文] Chronic Hepatitis B Treatment Strategies Using Polymerase Inhibitor-Based Combination Therapy2021

    • 著者名/発表者名
      Ohsaki Eriko, Yadarat Suwanmanee, Ueda keiji
    • 雑誌名

      Viruses

      巻: 13 ページ: 1-10

    • DOI

      10.3390/v13091691

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Virtual screening and docking analysis of hits with the reverse transcriptase domain of HBV polymerase2021

    • 著者名/発表者名
      Eriko Ohsaki, Yadarat Suwanmanee, Masami Wada, Keiji Ueda
    • 学会等名
      第68回日本ウイルス学会 学術集会
    • 国際学会
  • [備考] ResearchGate

    • URL

      https://www.researchgate.net/profile/Shinya-Mizuno

  • [備考] ResearchMap

    • URL

      https://researchmap.jp/caepn010?lang=en

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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