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2022 年度 実績報告書

ゼブラフィッシュ異種移植モデルによる乳がん転移初期に起こる遺伝子発現変動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06454
研究機関千葉大学

研究代表者

溝口 貴正  千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (10645419)

研究分担者 高橋 広夫  金沢大学, 薬学系, 准教授 (30454367) [辞退]
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードMib1 / 乳がん / Ctnnd1 / 悪性化 / 異種移植モデル
研究実績の概要

昨年度までの解析からE3ユビキチンライゲースMindbomb1(Mib1)の発現強度レベルと乳がんの悪性化に負の相関があることが示唆された。本年度の解析より、比較的Mib1発現レベルの高い乳がん由来細胞株MCF7においてMib1をノックダウンすると細胞移動が亢進することが明らかとなった。生化学的な解析からMib1のノックダウンにより細胞間接着の制御に関わるCatenin delta1 (Ctnnd1)が不安定化することで、E-Cadherinによる細胞接着が減弱し、細胞移動が亢進されることが推察された。これはこれまでに申請者が報告しているMib1依存的なCtnnd1の機能制御とは異なり、新規の分子メカニズムであると考えられる。
そこでMib1がどのようにしてCtnnd1の安定化に関わるか検討したところ、先行研究でCtnnd1の安定化に関与することが知られているTGFβシグナル、Wnt/βcateninシグナル、TRIM25のいずれも乳がん細胞におけるCtnnd1の安定化には寄与していないことが明らかとなった。昨年度までにゼブラフィッシュの異種移植モデルを用いた解析かMib1をノックダウンしたした乳がん由来細胞株MDA-MB-231は生体内微小環境において細胞増殖が惹起されることを明らかにしている。以上のことから、Mib1は乳がん細胞において細胞増殖・細胞移動を抑制しており、Mib1の発現が低下することで細胞増殖・細胞移動が亢進し、悪性化が引き起こされると考えられる。
以上の解析結果について現在論文を投稿中である。またMib1依存的なCtnnd1の安定化の分子メカニズムを明らかにするため、CRISPR/Cas9システムと異種移植モデルを用いたスクリーニング系を構築中であり本助成期間終了後も解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Small-Molecule-Mediated Suppression of BMP Signaling by Selective Inhibition of BMP1-Dependent Chordin Cleavage2023

    • 著者名/発表者名
      Mizoguchi Takamasa、Mikami Shohei、Yatou Mari、Kondo Yui、Omaru Shuhei、Kuwabara Shuhei、Okura Wataru、Noda Syouta、Tenno Takeshi、Hiroaki Hidekazu、Itoh Motoyuki
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: 4313~4313

    • DOI

      10.3390/ijms24054313

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Artificial Notch Signaling Activation Method Using Immobilized Ligand Beads2022

    • 著者名/発表者名
      Mizoguchi Takamasa、Handa Hikaru、Omaru Shuhei、Itoh Motoyuki
    • 雑誌名

      Methods Mol Biol.

      巻: 2472 ページ: 57~66

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-2201-8_6

  • [学会発表] E3ユビキチンライゲースMIB1はCTNND1の安定化を介して乳がん細胞の移動を制御している2023

    • 著者名/発表者名
      加納 永梧、魯 靖雨 、溝口 貴正、伊藤 素行
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] Aging affects vascular function and exacerbate cerebral infarction symptom in the zebrafish telencephalon.2022

    • 著者名/発表者名
      Mayu Okita, Yuina Minami, Misa Fukunaga, Ayumi Maki, Takamasa Mizoguchi, Motoyuki Itoh
    • 学会等名
      第28回小型魚類研究会
  • [学会発表] ゼブラフィッシュ脳梗塞モデルを用いた高脂肪食肥満による脳機能低下と脳梗塞病態に与える影響の解析2022

    • 著者名/発表者名
      福永 美沙、南 唯菜、大北 真由、溝口 貴正、伊藤 素行
    • 学会等名
      第66回薬学会関東支部会
  • [学会発表] モデルゼブラフィッシュの病態解析による血管性認知症CADASILの発症機構の解明2022

    • 著者名/発表者名
      王林 思帆、古川 健吾、楊 鵬、溝口 貴正、伊藤 素行
    • 学会等名
      第66回薬学会関東支部会
  • [学会発表] 高脂肪食の過食による肥満が脳機能と脳梗塞病態に与える影響の解析2022

    • 著者名/発表者名
      福永 美沙、南 唯菜、大北 真由、溝口 貴正、伊藤 素行
    • 学会等名
      第8回ゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会
  • [学会発表] ゼブラフィッシュ終脳を用いた脳梗塞後の回復過程における遺伝子発現の時系列解析2022

    • 著者名/発表者名
      牧 愛優美、福永 美沙、南 唯菜、大北 真由、溝口 貴正、伊藤 素行
    • 学会等名
      第8回ゼブラフィッシュ・メダカ創薬研究会

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公開日: 2023-12-25  

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