研究課題/領域番号 |
19K06467
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 靖 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90324566)
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研究分担者 |
依馬 正次 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (60359578)
築山 智之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任准教授 (60612132)
石垣 宏仁 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (90432301)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 早期老化症候群 / 霊長類モデル / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
既に出生しているWRNヘリカーゼゲノム編集サルの末梢血を採取し、WRNヘリカーゼゲノム編集サルと野生型サルの末梢血細胞のRNA発現を比較した。その結果、大きく3群に分類され、概ね野生型、ヘテロ変異体、ホモ接合変異体に相当すると考えられた。しかし、完全に一致するのではないため、再度検体採取を行い、継続的に解析する必要があると思われた。遺伝子発現の詳細な比較では、WRNヘリカーゼゲノム編集サルの末梢血細胞において、リンパ球活性化マーカーの発現が上昇する傾向が見られた。また、血漿中のヒアルロン酸とグルコース濃度の測定では、WRNヘリカーゼゲノム編集サルと野生型サルに差は見られなかった。 WRNヘリカーゼゲノム編集サルの末梢血からiPS細胞を樹立した。WRNヘリカーゼゲノム編集サルと野生型サルのiPS細胞は同様のコロニー形成能を示した。また、免疫不全マウスの皮下にWRNヘリカーゼゲノム編集サル由来のiPS細胞を接種したところ、奇形腫が形成され、多能性が確認された。WRNヘリカーゼゲノム編集iPS細胞に分化誘導用培養液を加え、培養を継続すると、野生型サルのiPS細胞に比べ、細胞生存または分化能が低下していると考えられた。 WRNカニクイザルMHCホモ接合体のオス由来の精子と排卵誘発により得た卵細胞を使い、顕微授精と受精卵におけるゲノム編集を行った。2頭の仮親に胚の移植を行い、妊娠を確認した。しかし、1頭は流産となり、現在1頭が妊娠継続中であり、令和2年度に出生予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲノム編集サルと野生型サルの遺伝子発現とヒアルロン酸濃度の比較を行うことができた。MHCハプロタイプを一致させたゲノム編集サルの顕微授精、仮親への移植を行うことができた。iPS細胞の樹立と分化誘導培養に着手できた。
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今後の研究の推進方策 |
前回の遺伝子発現解析から、1年経過したので、再度血液を採取し、同一個体の加齢による変化を追跡する。MHCハプロタイプをiPS細胞と一致させたゲノム編集サルの作出を継続する。
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