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2022 年度 実績報告書

ラットモデルを用いたヒト小眼球症の不均一性に作用する遺伝的要因の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K06473
研究機関東京農業大学

研究代表者

和田 健太  東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (20508113)

研究分担者 吉川 欣亮  公益財団法人東京都医学総合研究所, 基礎医科学研究分野, プロジェクトリーダー (20280787)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード小眼球ラット
研究実績の概要

1. 前年度に作製したCyp4v3ゲノム編集マウス(Cyp4v3#15)の胎児期における眼球発生を観察した結果、水晶体および網膜組織は正常に形成された。従って、Cyp4v3#15は眼球発達不全を引き起こさなかった。そのため、第16番染色体に検出されたnak遺伝子座における更なる変異スクリーニングを行った。その結果、我々はFat1に脊椎動物間で高度に保存されるアミノ酸残基の置換を引き起こすミスセンス変異を検出した。このミスセンス変異の効果を評価するため、NAKとBNとの間の戻し交配個体における無眼球と関連解析を行った結果、Fat1のミスセンス変異は両眼、左眼、および右眼の無眼球症の発症と有意に相関した。しかし、Fat1のノックアウトマウスはコロボーマ様の病態を示すのに対して、NAKは完全な眼球欠損を呈する。従って、我々はNAKの無眼球症がCyp4v3の欠失変異およびFat1のミスセンス変異を含む複数の遺伝子変異によって引き起こされると推測する。
2. 前年度に引き続き、本研究はNAKの眼球発生異常を引き起こす要因の特定を試みた。我々は前年度に、NAKの眼球発生不全が神経網膜前駆細胞の増殖不全に起因することを明らかにした。本年度はこれらに加えて網膜色素上皮マーカーであるMITFと、水晶体マーカーであるFOXE3およびCDH2の免疫組織染色を行った。その結果、MITFはNAKの網膜全体に局在した。これはNAKの網膜が網膜色素上皮のみから構成されることを確認した。この異常はMITFの局在は、神経網膜において産生されるVSX2がNAKの網膜において欠失したためだと推測された。加えて、FOXE3およびCDH2の免疫組織染色像は、NAKの水晶体上皮の増殖は正常であるものの、水晶体線維細胞は分化しなかった。これは、神経網膜の欠失により水晶体線維細胞の分化が誘導されないためと推測された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] NAK: a new spontaneous rat mutation of microphthalmia with phenotypic heterogeneity through the genetic background and maternal effects2023

    • 著者名/発表者名
      Wada K, Kusano N, Munakata H, Okubo S, Otoyama K, Hashizume R, Kikkawa Y
    • 学会等名
      36th International Mammalian Genome Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] NAKラットの小眼球症を修飾する遺伝的背景および母体効果2022

    • 著者名/発表者名
      草野奈央・吉川欣亮・和田健太
    • 学会等名
      第18回北海道実験動物研究会総会・学術集会2022
  • [学会発表] 第69回 日本実験動物学会総会2022

    • 著者名/発表者名
      草野奈央・許 亜美・鴻巣史織・原 菜摘・清水開斗・下井 岳・亀山祐一・吉川欣亮・和田健太
    • 学会等名
      NAKラットの小眼球症は神経網膜の欠失に起因し、それは遺伝的背景および母体効果によって修飾される

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公開日: 2023-12-25  

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