本年度は、同定したBmAgo3リン酸化部位の個別の変異体を作製し、変異体が示す表現型がどのリン酸化部位の変異に起因するものなのかを解析した。これにより、リン酸化変異体と表現型の関係がある程度明らかとなったものの、BmAgo3のリン酸化が亢進するSiwiノックダウン下でのBmAgo3の挙動と、作製したリン酸化型変異体の挙動には一致しない点も多く、Siwiノックダウン下でのBmAgo3の挙動がリン酸化そのものに起因するわけではないことが示唆された。変異の導入によりBmAgo3タンパク質の構造に影響を与えた可能性も考えられることから、リン酸化変異体の解析は一時中断することとした。また、BmAgo3のリン酸化を司るキナーゼの同定を試みたが、現時点でノックダウンによりBmAgo3のリン酸化レベルに影響を与えるキナーゼは同定できていない。 一方で、BmAgo3のリン酸化が亢進する状況下で、BmAgo3への相互作用が増加する因子を新たに見出したことから、これらの因子の機能解析およびBmAgo3リン酸化との関係について現在解析を進めている。
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