研究課題
BmAgo3のリン酸化については、他の研究グループにより報告がなされたため、本年度は、前年度に引き続き、BmAgo3のリン酸化が亢進するSiwiノックダウン下でBmAgo3との相互作用が増加する因子の同定、解析を進めた。その一つは、共同研究を進めていたGametocyte‐specific factor 1 (Gtsf1)のホモログであるGtsf1-likeであったことから、Gtsf1およびGtsf1-likeの解析を新たに進めることとした。Gtsf1はマウスやカイコにおいてpiRNA産生に必要であることが報告されていたが、piRNA産生における機能は不明であった。共同研究先である米国PD.Zamore研究室での解析から、マウスGtsf1にはMIWIやMILIによる標的切断を促進する活性があることが見い出され、この活性が他の種でも保存されているのかを検証したところ、カイコGtsf1にもSiwiの標的切断活性を促進する作用があることが明らかとなった。興味深いことに、Gtsf1がSiwiの標的切断を促進するのと同様に、Gtsf1-likeにはBmAgo3の標的切断を弱く促進する活性があること示唆する結果を得た。現在、カイコにおいてGtsf1とGtsf1-likeの相違に着目し、Gtsf1ホモログのpiRNA産生における機能解析を進めている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
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