核膜に局在する核膜タンパク質は細胞の分化運命決定に関与するなど、細胞の機能発現に重要な役割を果たす。本研究は核膜タンパク質であるLem2とBqt4の欠損が致死性を示す理由を明らかにすることを目指した。Lem2とBqt4の両方が欠損した細胞では核膜に大きな穴が開き、そこから核のタンパク質が漏出することが原因で細胞が死ぬことが分かった。炭素鎖が21以上の極長鎖脂肪酸および極長鎖脂肪酸を含むセラミドと呼ばれる脂質を増加させる酵素Elo2の過剰発現によってこのような穴は開かなくなったことから、核膜タンパク質が脂質膜の組成を制御していることが明らかになった。
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