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2020 年度 実施状況報告書

細胞質における機能性RNA生成機構の解明とRNAベクター技術への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K06501
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

佐野 将之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80415687)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードmiRNA / RNAi / 細胞質RNAベクター / 人工miRNA
研究実績の概要

センダイウイルスを骨格としたRNAベクターは動物細胞に感染後、細胞質に局在し、ウイルスゲノムの複製及びmRNAの転写を行う。我々は、細胞質局在型センダイウイルスベクターから発現させたmiRNA前駆体が、成熟miRNA にprocessingされることから、細胞質でのmiRNA processingに焦点を当て研究を進めている。これまでの研究で、センダイウイルスベクターから産生されたmiRNA前駆体のprocessing効率は前駆体のステムループ構造に依存し、特にmmu-miR-367前駆体が効率よくprocessingされるという結果を得ている。本年度は、細胞質におけるmiRNA前駆体のprocessingを簡便かつ効率よく調べるために、T7 RNA polymeraseを用いた評価系の構築を行った。T7 promoter配列の下流にluciferaseを標的とした様々な人工miRNA前駆体を組み込み、T7 RNA polymerase安定発現細胞にトランスフェクションした。luciferase活性を指標にして、miRNAの遺伝子抑制効果を調べることで、細胞質でのmiRNA前駆体のprocessing効率を定量評価することができた。現在、T7 RNA polymeraseの発現量を調節することで、より定量的にprocessing効率を評価できる系の構築を進めている。さらに、細胞質でのmiRNA前駆体processingに関わる因子を調べるために、miRNA processingへの関与が予想される因子の発現を抑制した培養細胞にセンダイウイルスベクターを導入し、miRNA前駆体のprocessing効果を検証した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、細胞質でのmiRNA前駆体のprocessingに関わる因子を同定する予定でいたが、siRNAによるノックダウンでは顕著な効果が現れず、明確な結果を得ることができなかった。このため、ノックアウト細胞を用いた解析等を行い、miRNA前駆体のprocessingに関与する因子について検証を進めていく。

今後の研究の推進方策

T7 RNA polymeraseを用いた評価系を用い、様々なmiRNA前駆体のprocessing効果を評価する。また、免疫沈降などの生化学的実験および培養細胞を用いた実験により、細胞質でのmiRNA前駆体processingに関与する因子について同定および解析を行う。これらのデータを利用し、高い効率で機能性RNAを発現できる細胞質局在型RNAベクターを作製する。

次年度使用額が生じた理由

今年度の研究進捗状況に合わせて、一部を次年度に使用することとした。次年度は、主に研究計画を遂行するために必要な研究試薬、消耗品の購入費用に充てる。

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公開日: 2021-12-27  

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