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2021 年度 実施状況報告書

細胞質における機能性RNA生成機構の解明とRNAベクター技術への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K06501
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

佐野 将之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80415687)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードmiRNA / 細胞質RNAベクター / 人工miRNA / RNAi
研究実績の概要

センダイウイルスベクターはネガティブ一本鎖RNAをゲノムに持つRNAベクターであり、動物細胞の細胞質に局在し、ウイルスゲノムの複製及びmRNAの転写を行う。我々は、センダイウイルスベクターから発現させたmiRNA前駆体が、機能をもつ成熟miRNA にprocessingされることから、細胞質でのmiRNA processing機構に焦点を当て研究を進めている。本年度は、センダイウイルスベクターから発現させたmiRNA前駆体のprocessingに関わる因子を調べるために、ゲノム編集によりmiRNA processing因子をノックアウトした細胞株の作製を試みた。miRNA前駆体のprocessingに関与することが知られている因子に対し、複数のCas9およびguide RNA発現プラスミドを作製した。このプラスミドを培養細胞に導入することで、標的遺伝子のDNA領域を効果的にゲノム編集できることが分かり、現在、ノックアウト細胞株のクローニングを進めている。また、processing過程でmiRNAと相互作用する結合因子を調べるために、プルダウンアッセイおよびゲルシフトアッセイの系の構築を行った。これまでに、すでに結合することが知られているmiRNAとタンパク質を用いて評価を行ったところ、構築した系が非常によく機能していることを確認した。さらに、センダイウイルスベクターから発現したmiRNAの効果を簡便に調べることができる、蛍光タンパク質の発現を指標にmiRNAの機能を評価するレポータープラスミドの構築も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、細胞質でのmiRNA processingに関わる因子の同定を目的とし、ゲノム編集によるノックアウト細胞の作製を試みたが、細胞への影響のためか、フレームシフト変異したクローン株が簡単には得られず、実験のやり直し等で想定よりも時間がかかっている。また、COVID-19による、テレワーク対応なども影響し、実験系の構築が当初の予定よりも遅れたことから、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

本年度に構築した生化学的実験手法や今後取得予定のノックアウト細胞を用い、細胞質でのmiRNA processing機構の解析を行っていく。また、miRNA前駆体のprocessing効果についても検証を進めており、昨年度までに構築しているT7 RNA polymeraseを用いた評価系や本年度に構築したレポータープラスミドを用い、さらなる検証を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、想定よりも研究の実施に遅れが生じたため、一部を次年度に使用することとした。次年度は、主に研究計画を遂行するために必要な研究試薬、消耗品の購入費用に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Live-cell imaging of microRNA expression with post-transcriptional feedback control2021

    • 著者名/発表者名
      Masayuki Sano, Kana Morishita, Satoshi Oikawa, Takayuki Akimoto, Kimio Sumaru, Yoshio Kato
    • 雑誌名

      Molecular Therapy - Nucleic Acids

      巻: 26 ページ: 547~556

    • DOI

      10.1016/j.omtn.2021.08.018

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 転写後フィードバック制御を利用したmiRNA検出システムの開発2021

    • 著者名/発表者名
      佐野将之、森下加奈、及川哲志、秋本崇之、須丸公雄、加藤義雄
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会

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公開日: 2022-12-28  

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